Herba-San
Herba-San
2がつには…
もりの おくへ。
ちいさな こどもの てのなかで、
ぷちぷち
めぶきを みせたり。
そのあと、おわんは エルバさんの にわを
いれたまま、たびを つづけ、
きずだらけに なって、
しんでしまった。かなしい かなしい おわんの
おはか。
ところが…
おはかから、はえた きには、
あかい おわんの みが なった。
さあ、とりいれだ。しゅうかくだ!
どれに しようか、すてきな おわん。
「あかい おわんの なる きから、
みんな おわんを もらえたかしら?
さあ、これで あたらしい としを おむかえできる。
ひとり ひとつ。とりすぎは だめよ」
雪のふる日、庭師のエルバさんが
であった、ふしぎなあかいおわんのおはなし。
12か月。
エルバさんは、たがやしたり、まいたり、
うえたり、かったり、たばねたりして、
にわを つくるのが しごと。
「Kusa to KI」という
草木のおみせも やっています。
はるのひには、
また もどってきて、
エルバさんに のはらを つくってみせたり。
ノイチゴ、スミレに、カラスノエンドウ、
ノアザミ、ノギク、ハハコグサ。
エルバさんは わくわくと
はるの なかに たっている。
ときどき、おわんは おおきくなったり。
エルバさんは うでを ふるって にわを つくった・
「たんせいこめた ひみつの にわが、
あかい おわんの なかに ございます」
ところが、
ちょっと めを はなした すきに、
だれかが おわんの にわに すみついたり。
おわんの なる きは ほうさくで、
ひとりに ちゃんと ひとつずつ。
おうちに もらわれて、
あたらしい としを まっています。
たびする おわん、めの でる おわん、
にわの はいった おわん。ふしぎな おわん。
エルバの みせに ようこそ。
みんな もってる? あかい おわん?
1.200円+送料
注文制です。
まあ まあ まあ。
どういうこと?
おかしいでしょ?
ふしぎだわ。
にわに
おわんが ふってきた。
うつくしい ふるい おわん。
エルバさんは すっかり
むちゅう。
おわんは、しばらく
エルバさんのおうちで
やすむと、また、
たびだっていった。
エルバさんの おみせは、きと くさと はなで いっぱい。
となりに いるのは バイトの クマ。どにちだけの おてつだい。
え、おわん?
あら、いつのまに? おかえり。
はたらいてくれてるの?
ふるいものに めが ない クマ いわく、
「これは これは じょうとうな。
うるしぬりの ふるい おわん」
エルバさんとふしぎなおわんのはなし
そしてまた、1月!