Daidokoro

 

料理しなんしょ

まるもとただゆき・作

こがしわかおり・絵


偕成社

コッペ

主人公。料理なんて

とんでもない、

できっこない

オサジ osaji

コッペの相棒

コッペの台所

絶望にうちひしがれたコッペのまえに

すがたをあらわしたのは、荒神様の使い。

「わたしたちにおまかせあれ」

料理指南12か月のはじまりです。

「だいじょうぶ。まずはおゆを

わかすところから、ね」

荒神さまの使い、

イモリとヤモリ。

コッペの先生

寒くて暗い冬の台所。ひとりでおるすばんしているコッペ。

「ひとりぼっちで、たべものもなくなって、ずーっとこのままだったら…」

コッペ、はらぺこで死す?

おゆをわかすのすら、どうしていいか、わからないのに。

だれかたすけて…!

そんなふうにこの本の幕はあいて、、、

Daidokoro

とっておきのはなし


こがしわかおり

まるもとただゆき


福音館書店

かがくのとも8月号

とっておきの本のはなしです。

トッテさん(仮)。

ほんとは、名もなきこだけどね。

おおきなポッケに、

「いいの、いいの。

ただとっておきたいの。

あたしにとってのだいじな、

とっておきを」

トマトの本ではないのです。

なにをとっておいて、なにをすてるか。

「とっておく」ことは、悩ましい時代です。

人が生きる、たかだか100年のあいだに、

人のまわりを行きかうものは、なんてたくさん

あることか……愛着か無関心か。

すてたつもりのものだって、まわりまわって、

とっておいてもらってるかも。

とっておきたい、トッテさん(仮)は、とにかく目の前の

だいじに育てたトマトたちをとっておきたいのです。



あなたはなにをとっておく?

形あるのもか、ないものか。

食べ物、お気に入りの服、家や車、

思い出、音楽、物語、、、

明日まで、それとも100年後、死後まで?

でも、とっておかなくちゃ、

とっておきにはならないのです。