Books2
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迷子
松山真子・作
四季の森社
『だれも知らない葉の下のこと』に続く、
松山真子詩集第2弾です。
本を開くと、金平糖みたいな小さな光が飛び、
プチプチチャワチャワ
小さな声がたえまなくしています。誰か迷子になったのかな?
山賊娘の刀にはしずくがきらめき、やまんばがおにぎりをたべていたり、
狼が涙をこぼし、小鬼はほくそ笑んでいるし、カラスが蝶ネクタイをつけて、と
たのんできたりします。苔がおしゃべりしたり、リンゴの木が
ほおづえついていたり… あなたはただ開くだけでいいのです。
山賊娘は、街では「迷子」になるらしい。たぶん、やまんばもね。
本は遠くの人とつながる通信機。場所や時間も問いません。
電気もガスもいりません。
なにがあっても、本だけは待っていてくれると思えば、
なんとかその日を暮らしていける。
本作りも本を紹介するのも、本へのほんの恩返し。
今夜の本にこんな本をどうぞ 2
ぼくたちはなく 内田麟太郎
PHP研究所
「詩集ねえ」なんて。どうしてかしら?
字は少ないし(笑)、なんども読めて
どこから読んでもよくて、こんなにオモシロイのに
そういう人が多いのは?
三越左千夫賞
絵の中の本
額の中の絵をクリック。
デザインした本など。
どれもそうですが。
ひとりぼっちで、るすばんなんかしてるとき、
この本をあけてみてください。
丘の上の古いホテル。
おじいさんがにっこりでむかえてくれます。
さて。そろそろ屋根裏べやへ
あがってみましょうか。
やねうらホテル いとうせつこ
福音館書店 2013年こどものとも10月号
ちいさなおはなしやさんのおはなし 竹下文子
小峰書店
ねむれないよるやこころぼそいときにも
なんとかなりそうなきもちになれる。
おはなしやさんのおはなし、ひとさじで。
ああ、こんなおはなしがたべたかった。きっとおもうはず。
おはなしやさんはいまもまだおみせをしてるのだろうけど
おはなしやさんのおはなしのほうは? どうだろう。
閑猫堂↓竹下文子さん
http://blog.goo.ne.jp/chevette/e/eb1e4c15121a65a413327c3f33b595f5
台湾版〜
東方出版社より
松山さんの詩には不思議なものたちがうごめいています。
草木の葉をめくって、その下のものたちと
目をあわせたことがあるヒトは、
この世とさよならするとき、
おくってくれるチイサナものたちの存在を
ベッドのふちにひしひしと感じる。
じぶんはそうだといいなとおもいながら描きました。
しずかに木が語りだします。それは、とおい夏のおはなし。
かなしくて、むごくて、なのに、なつかしくて、しあわせで…こころ、かきみだされるでしょう。
木の声に耳をかたむけずにはいられない。『あなたがつくれないものをこわしてはいけません』
こわすのは、かんたん、いっしゅん。かたや、つくるヒトがいる。そだてるヒトがいる。
こわす、捨てることに、つらくても痛みを感じていたい。つくることもやめないで。
木と音楽と職人さん。
古い音楽をかけて描きました。
マレーネ・ディートリッヒの「リリー・マルレーン」
ヴェラ・リンの「We’ll meet again」、
エディット・ピアフ、などなど。
音楽なしでは、夜も日もあけぬ。
『みどりのゆび』(岩波書店)には、
“戦争はんたいを花で”とありました。
“戦争はんたいを音楽で”。
ひとりぐらしは楽じゃあないし、ねずみくんは
野菜のきれはしでもたべたくて、
畑にいったのだけど。なんと、はくさいのあかちゃんが
「ともだちになって」だって。
ねずみくんはおもわずうなずいて、はじまったふたりの時間…
ねずみくんはなにをおもう?
はたけではくさいをそだてながら、描いたけど、
ほんものにかなうイロは。なんてむずかしい。
絵のなかに本棚が。
パンフルートになった木 巣山ひろみ
少年写真新聞社
ひとりでるすばんしてたり、さみしいけど、
時間をもてあましていたり、
せんたくかごをよくかぶっていたものだ。
そこはひとりになれる、小さな隠れ家。
匂いも色もなんだかおちつく。編み目ごしに、
いつもの部屋や、庭がなんだかぼやけて、ちがってみえる。
ぼうっすると、お城や森の小道が見えるときもある。
ちがう世界が、編み目をへだてて、すぐそこにある。
別世界につながる入り口。ぜひ一度、ためしてみて。
絵本のモデル、
千田パンフルート合唱隊活躍中。
あなたの街に
やってくるかもです。
ひとりぐらしのねずみくんは、
はくさいぼうやとの別れから、たちなおらないまま。
はたけでであったのは、うたをうたう、一本のナス。
はたけにひびきわたる、やさいの歌を聴くことができる
ヒトは、いま、どれくらいいるんだろう。
本で読んだこんな言葉を思いだしました。
〜人間がいなくても、世界は自然はちっともこまらない。
でも、人間は、人間以外の自然がないと生きていけない〜
はたけとつくえを行き来しながら、実感した。
なすこちゃんとねずみくん
堀米薫・ぶん
新日本出版社
せんたくかごのないしょのはなし
あかね書房
詩集・だれも知らない葉の下のこと
松山真子 四季の森社
精霊〜ジン〜の島へようこそ。
アーモンドにオリーブ、ヒマワリ、海に、灯台に、赤いヨット…
ジンたちは島で生き生きと暮らしています。
ロップはジン。ジンは人間にとりつくものだけど、
ロップはまだとりついたことがありません。
どうやってとりつくのかも知りません。
“あたしがとりつくにんげんって、
どんなかなあ”
ロップのふしぎな髪かざり
新藤悦子 講談社
ブックデザイン ・脇田明日香
なべにフライパンにおたまに、
わたしたちは
たくさんの道具に世話になっています。
せっせとはたらいて、もんくもいわず、 でしゃばらず、
たよりがいがあって…そんな道具たち、
たまにははねをのばしてたのしんでほしい。
ココと
おおきなおおきなおなべ
え ・おざきえみ 教育画劇
さよならのドライブ
ロディ・ドイル作
こだまともこ訳 フレーベル館
ブックデザイン ・城所潤
アイルランド・ダブリンに住む12歳の女の子、メアリー。学校は「バッカみたい」だし、たったひとりの親友は引っ越してしまうし、大好きなおばあちゃんは病気で死にそう。なにもできないし、しちゃいけないの。
とこへ、ひいおばちゃんタンジーの幽霊(!)が現れて。
コマッタことに愛があるほど別れは辛い。
でも辛いからとごまかしてしまうのは怖い。
母から娘へ4代の幽霊込みの物語。
ひとりじゃないあたたかさにジンジンしました。
お気に入りの1冊、、、
ひいおばあちゃんの幽霊に
出会ったのは、
古いトチノキの木の下。
チキン!
いとうみく・作
文研出版
いいたことはなんだって言うし、まちがったことはだいきらい。
まっすぐに相手をみて、ごまかしのない、まるでヒーロー。
そんなかっこいい女の子が主人公。
でもどうしてだろう、ヒーローって、
そばにいると、正直うざい〜んだなあ。
魔女のレッスンはじめます
長井るり子・作
ブックデザイン ・岡本歌織
出版ワークス
おひさまののみかた、とか、むかしもりのおちゃ、とか、
ふしぎなレシピがいっぱい。描いていると、「食べたい食べたい」。
1冊描きあげるまでに、すっかり太ってしまった。
もちろん魔女もちゃあんと出てくる。
フィンランド映画『ヘイフラワーとキルトシュー』を
また観たくなった。
不思議屋 風待ち
西村友里・作
文研出版
古いステンドグラスのはまった窓まど…ギャラリー「風待ち」。
不思議な七つの絵には、どれにもいわくがあって、実は物語への入り口です。
じっとみれば、「あ、動いた!?」そう、絵のなかは、風も吹けば、雨も降る。
猫も動けば、翼羽ばたくのです。知らなかった?
それは日々忙しなくしすぎだからでしょう。お気に入りの1冊。
だって、絵に入れるお話ですよ。
はくさいぼうやとねずみくん
堀米薫・ぶん
新日本出版社